日本の食卓に並ぶアイルランドの食品
品質と持続可能性への共通のこだわり
賑やかな日本のスーパーマーケットの中を歩いていると、氷の上に並んだアイルランド産の牡蠣や、冷蔵棚に積まれた高級感ある金色のパッケージが特徴のアイルランド産ブロックバター、棚に並ぶピート香豊かなアイリッシュウイスキーのボトルを目にして驚くかもしれません。
アイルランドを感じる味が遠くここまで旅してきたのは、製品の品質と誠実性への共通のこだわりゆえです。
アイルランドは2030年までに持続可能な食料システムにおける世界のリーダーになるという野心的な目標を掲げています。持続可能性に取り組み、グローバルパートナーシップを深化させながら、輸出の拡大を目指します。
農業と食はアイルランドの生活に織り込まれており、今日、農業食品産業はアイルランドの最も歴史ある最大の輸出産業になっています。輸出総額181憶ユーロ(約3兆円)以上に上るアイルランド産の食品・飲料は、世界180カ国以上の食卓に届けられています。
アイルランド産のウイスキー、牛肉、魚介類
日本はアイルランドの重要な貿易相手国であり、現在、アイルランドの農業食品輸出先として欧州圏外では第3位に位置し、その結びつきはますます強固なものになっています。アイルランド産の乳製品、牛肉・豚肉、魚介類、ウイスキー、他の加工済み食品は、日本の小売店やレストランでも目にする機会が増えてきており、品質への信頼と評価を獲得しています。
このつながりは食卓の上にとどまりません。アイルランドが誇るサラブレッドの競走馬や高級農産品も、この両国関係を語るうえで欠かせません。
10年以上前、アイルランド政府食糧庁(ボード・ビア)は、日本を高品質で持続可能な製品に対する需要が伸びる重要市場と位置づけました。以来、家畜栄養、健康、バイオスティミュラント(生物刺激剤)分野の食品・飲料・アグリテック企業50社以上が日本で活動しています。その多くが、FOODEX JAPANやジャパン・インターナショナル・シーフードショーなどのイベントに出展しています。
両国間の関係が深まったのは、2019年、日EU経済連携協定が発効して、双方の間で貿易障壁が引き下げられ、新たな機会が開かれたことで、両国のパートナーシップが強く後押しされたことを機とします。以来、対日輸出額は10億ユーロ(約1,700億円)を超え、アイルランド政府は取り組みを強化するために、同年、アイルランド政府食糧庁と農業・食糧・海洋省が日本での活動拠点を設置しました。両組織は駐日アイルランド大使館と緊密に協力しています。
食卓に見るサステナビリティ
アイルランドと日本の結びつきがこれほど強固なものになっているのは、両国が共通の価値観を多く有しているためです。似た考え方を持つ輸出重視の貿易相手国であり、食品と飲料の品質へのこだわりが両国の文化的アイデンティティにおいて欠かせない要素となっています。
両国とも農業食品産業、林業、漁業の持続可能な開発への取り組みを拡大しています。
持続可能な方法で生産された製品に強い関心を寄せる日本の消費者にとって、アイルランド産のグラスフェッド(牧草飼育)による乳製品とビーフは大きな魅力があります。
アイルランド産グラスフェッドビーフは現在、EUで地理的表示保護を取得しており、日本の消費者に強く響く品質とトレーサビリティを保証しています。アイリッシュウイスキー、アイリッシュクリーム、クレア島サーモンなど、多くの登録製品とともに地理的表示の一覧に加わっており、アイルランド独自の食遺産を称えるとともに、トレーサブルな原材料をお客様に保証しています。
公式訪問を通じてパートナーシップを構築
こうしたテーマは、2025年6月、アイルランドのマーティン・ヘイドン農業・食糧・海洋大臣が東京と大阪を訪問した際、最も重視していたものです。訪問の目的は、安全で栄養価の高い食品の世界クラスの生産・供給国としてのアイルランドの認知度を高めることでした。
訪問には小泉進次郎農林水産大臣、仁木博文厚生労働副大臣との会談も含まれました。そこでは関係者全員の関心が政策的な側面にとどまらず、味わいにも向けられました。ヘイドン大臣は新鮮なアイルランド産牡蠣の日本での販売促進を支援し、アイルランド産のチェダーチーズ、牛肉、豚肉、ラム肉、ウイスキー、魚介類の安定供給の拡大を強調し、新たに複数のアイルランドブランドの消費者製品の市場導入を祝いました。
おいしい食べ物には人と人をつなぐ力があります。アイルランドが持続可能性を追い求め、日本の消費者がより多くのアイルランド産品に親しむにつれて、物語が自然と紡がれていきます。それは上質な食品を中心とした共通の価値観と利益だけでなく、共通の文化と共通の喜びに基づくパートナーシップの物語です。